日テレ世論調査にみる調査の難しさ

日本テレビが電話で世論調査を実施した。

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鳩山内閣の支持率は51.8%と先月比で14.5ポイント急落した。
鳩山内閣を「支持する」と答えた人は51.8%と、先月比14.5ポイント下落し、
政権発足以来初めて5割台に落ち込んだ。一方、「支持しない」と答えた人は36.2%で、
先月比18ポイント増えている。
支持しない理由については、「リーダーシップがない」が28.6%に達し、先月比20ポイント上昇した。

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と伝えている。「いかにも世の中は政治不信に溢れている」と受け止めてしまいそうだが、
調査概要
【調査日】18〜20日
【全国有権者】1058人
【回答率】55.7%
からすると「答えたくない、よく分からない、どちらでもない」という人が
44.3%もいる。彼らにあえて聞いてみるとおそらく5段階中2番目と3番目の
「やや当てはまる(支持している)」、「どちらとも言えない」が7割程度を
占められると思われる。そうすると実質的な支持率は6割強になり、不支持率は3割弱程度となる。

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政治に関する調査は「自分の思想を明らかにする」ものであり、「回答に応じる生活者は主張がハッキリしている」
ことが特徴である。そしてその多くは現状を否定、自分の考えを世の中に出そうとするものが多い。
現状に不満が無い生活者はわざわざ満足していることを調査を通じて伝えようとは思わない。

つまりこういった調査を実施する場合、両端に近い回答や否定的な意見が多くを占めやすいため、
回答率は少なくとも80%以上でないと「世の中全体を正しく反映した結果」とは言えない。

市場調査を担当、そしてメディアを通じて調査結果を伝えている身としてこういった乱用を正しつつ、
自らは正しい方法で調査を実施、真の消費者意向を伝えていき日本を正しい方向へ導く糧としていきたい。