自動車業界の現状_国内編

 日本の自動車業界の現状をまとめた。

【政府が打ち出す一連の施策】
[グリーン税制]
⇒Co2排出量や燃費基準を満たすクルマを購入する場合、車両重量税などが優遇される
[スクラップインセンティブ]
⇒登録13年以上の新車を処分してクルマを買い換えるユーザーに助成金を支給
[ETC車載機取付における助成]
⇒数千億円の補助金を捻出してETC車載器価格や取付工賃を割引、150万台が装着し終了

    • -

上記の制度はいずれも消費者からの関心が高く、クルマ本体の魅力そのものよりも自動車利用・購入を促進する起爆剤となっている。

    • -

調査結果

    • -

トヨタ・ホンダ・三菱といったメーカーはHV車やEV車の開発・ローンチを発表して注目を浴びているが、当初目標である全体の20%に達するには10年以上かかる見通しである。

    • -

【クルマの買い替えサイクル】
一昔前は新車:5年、中古車:7年だったのが今は新車:7年以上、中古車:8年以上と長期化している。
これは「可処分所得の低下」、「魅力のある車種の減少」などが要因として挙げられる。

    • -

【アフターマーケット】
クルマ本体よりも縮小傾向がより顕著にみてとれる。
カーナビはHDDタイプよりもSDメモリカードに地図データが格納されているPNDタイプが着実にシェアを伸ばしており、自動車保険もダイレクト型の安価な商品が成長著しい。

    • -

モータースポーツ
縮小しているも家族のレジャースポットとして可能性を見出そうとしている。
国内の最高カテゴリーであるフォーミュラ・ニッポンFポン)は今シーズン、新しいシャーシとエンジンを購入する義務が生じたこともあり、エントリーは昨年の20台超から13台にまで減少した。サーキットの観客動員数も多くない(1レース2万人程度)。
シャーシは全チーム共通、F1よりも重量があるマシンにも関わらずタイム差は1周辺り7秒落ち程度と遅くは無い。
チケットの価格はF1が平均3万円強するのに対してFポンは全席5千円程度とリーズナブル。

    • -

ドライバーの構図は
・ベテランvs.ルーキー
・フランス人vs.日本人
と分かりやすいアングルがある。

    • -

サーキットではレース以外のイベント、例えばバスに搭乗してサーキットを走行、バスの周りをレースマシンがスピードを加減速しながら周回するサーキットサファリなどがある。

    • -

モータースポーツはアフターマーケット以上に景気の影響を受けやすいジャンルであり、トヨタの子会社である富士スピードウェイがF1から撤退したことは記憶に新しい。
F1日本GPは1987年から鈴鹿サーキットにて開催されていた。モータースポーツファンを虜にするレイアウトは海外の関係者からも評価が高かったが、トヨタ富士スピードウェイを買収してF1開催権をFOMに打診、2007年の日本GPはFSWFISCO)で開催された。シャトルバスの混乱でファンからの評価は高くなかったことは周知の通り。2008年にはチケットを減らしバスやスタッフを増員して評価は上々、「リベンジ」したが収支が現実的でない(約20億円の赤字といわれている)こともあり今回の撤退に至った。
鈴鹿の連続開催ディスカウントは消滅しており、来年F1日本GPが開催されない可能性も出てきた。

    • -

手前味噌だが、ここ数ヶ月間は毎月、サーキットに足を運び消費者の目線を捉えているが彼らの目の輝きを見ていると日本の自動車業界は状況は厳しいものの、クルマに抱いていた憧れやロマンの残像が残る40代以上の消費者の多くはエポックメイキングなクルマの登場を心待ちにしているのだと感じることが出来る。今後のメーカー各社の奮闘に期待したい。